アシダカグモの食事
部屋に現われたアシダカグモと思しき大型のクモを捕まえて飼っています。
“大型”といっても脚を除けば1.5cmほど、脚を入れても6cmくらいでまだまだ子供です。
餌はゴキブリ(ワモンゴキブリ)や、ときどきコオロギや蛾などを与えています。
一種類の餌だけ与えていると「飽きて餌を食べなくなる」ということで、栄養のバランスなどを考えています。
ニコニコ動画に投稿した動画は
で、ゴキブリを与えてから一晩かけて撮影した動画を編集したものです。
ゴキブリを捕まえてからはあまり移動せず、ビデオカメラを固定しておいてときどき様子を見るだけですみました。
アシダカグモが糸を出して獲物を固定すること(卵も糸で包みますしね)、牙で噛み砕きながら消化していくこと、液状の糞をする様子などを撮影したものは一般の動画サイトでは珍しいかな?と思ってます。
意外だったのは、ゴキブリを捕らえてからもしばらく(30分くらい)はゴキブリが動き続けていたことです。
「クモの毒ですぐに体が麻痺して動かなくなる」と思っていたのですが。
糸で餌を固定して逃げられないようにして、さらに力も強く、素早いアシダカグモにとっては「獲物をマヒさせる」ことは必要ないのかもしれません。
同じように、「ハエトリグモの食事」でも餌となったシミはかなり長いこと動いていました。
また、この動画では餌となったゴキブリは最終的に小さな球になってしまいましたが、どこまで食べられるかはその時々で違うようです。
左から順に原形をとどめなくなっています。
おそらく、その時々のクモの満腹度によって食べ残しの量が変わるのだと考えています。
食べ残しといえば、クモは一般に「生きている餌しか食べない」と言われていますが、観察しているとアシダカグモは死んで動かなくなったゴキブリも食べているようです。
ゴキブリを捕まえた時に叩いたり押しつぶしたりして、クモが捕食する前にゴキブリが死ぬことも多いのですが、そんなゴキブリでも後から食われたりしています。
(残骸の写真のうち、一番左はそうして食われたものです)
ゴキブリを食べている途中で一旦餌から離れ、しばらくしてまた戻ってきて食べる、という行動も見られました。
クモが餌を捕まえるのは餌となる昆虫の振動などを感知しているからで、餌の動きに反応していることは確かなようですが、動かなくなった餌を「食物である」とどのように認識しているのか…
クモも水を飲むのですが、それも水の動きを察知しているわけではなく、「水を感じるセンサー」があるのでしょう。
同じように「これは食べられる」という判断をするためのセンサーもあるのでしょうか?
水を飲みに来たアシダカグモ(他の人が上げた動画です。
アシダカグモは敏感な上に素早いです。
「容器をさっとかぶせて」と思っても逃げられたり、容器の縁でクモが怪我をしてしまいます。
そこで、「持久力が無い」というアシダカさんの弱点を活かして捕まえました。
ホウキの柄で遠巻きに追いかけて、隠れるところの無い床の上に誘導し、
しばらく「こっちに行くな、おっと、こっちもダメだ」と逃げ回らせて、
疲れて動きがノロくなったところで袋をかぶせました。
手で掴んだりすると鋭い牙で噛まれることもあるそうです。
(動画の中でゴキブリの体を噛み砕いていました)
また、脚を捕まえると、トカゲの尻尾のように自分で切り離して逃げてしまうそうです。
旅行(8/24~9/3)から帰ってみたら脱皮していました。
腕を広げた長さが7~8cmになり、一回り大きくなりました。
9月27日、帰宅してみると脱皮していた。 脱皮の過程はなかなか見ることが出来ないなあ。 2週間くらい餌を食べなくなって、それでも痩せないと思っていると脱皮する。大きさは、前脚?を広げた幅が10cm程度。そろそろ大人サイズ?
12月20日に仕事から帰ってみたら脱皮していた。これまでほぼ「1カ月に1回」の割合で脱皮して、今ではかなり大きくなったけど、そろそろ成熟して越冬するのかも。
4月7日に脱皮をしました。前回よりもかなり間隔が開いたのは冬だったからでしょうか?
※引越し前にいただいたコメントです
2010, 8月 24 – 12:06午前.
動画から来た通りすがりです。
ファーブルかなにかで、蜘蛛は生きている餌に毒を流し込み
体液の流れと共に毒を全身に回す事で餌(の身体の中身)を液体状にして
飲むように食べると読みました。(だから食事後の殻は抜け殻のようになる)
だから動画を見ていると
捕獲→生きているうちに毒を数カ所に打ち込む→溶かしている間に逃げられないように
糸で固定→全身を絞るように食べる
って感じに見えますね。
死骸が食べかけっぽいのは満遍なく毒が回らなくて液体に出来なかったからかな?なんて。
一般の蜘蛛は巣のベッドにあたる部分で餌を待ち、
餌がもがく振動で駆けつけて捕らえますが、アシダカ蜘蛛は巣を持たない蜘蛛らしいので、
死骸であっても餌と認識する何かが備わっているのかもしれないですね。
ニオイ…とか?
昆虫は不思議がいっぱいで見ていて楽しいですね。
ニキビダニの動画も大変楽しめました。
コメントを見ているとニキビダニを勘違いしている人って多いんだなあと感じますね。
これからもおもしろい動画を期待しています*
では失礼します。
※引越し前にいただいたコメントへの返信
2010, 8月 24 – 2:08午前
そうですね。 死んでしまったゴキブリにアシダカグモが食いついているのを見たことがありますが、食いついている部分の周りだけが白っぽくブヨブヨにふやけているようでした。 獲物が暴れると、その都度クモが噛みついて毒液(消化液)を注入するので、結果として色々なところから溶かされて、全身を丸めやすくなるのかもしれません。 本能的な動きが結果として合理的に働くという、自然の仕組みの巧みさは本当に面白いと思います。動かない物を餌として認識できるって、不思議ですね。 匂いとしても、鼻も触角も無いので、脚の先などにセンサーが付いているのかもしれません。 何をどうやって餌として見分けているのか、それが分かればクモを人工餌で飼育することも出来そうですね。「これは見たことが無かった」という動画を集めるよう頑張っていきます。 今後ともよろしくお願いします。